遊び文とは

遊び文とは

今回は小説を書く時に私が気を付けている事をお話しようと思います。
小説の話なので、これをイラストへカテゴライズするか悩んだのですが、お話という意味では漫画との共通点があるので今回はイラストへ分類させていただきました。

さて、本題です。
私は小説を書く時に遊び文を大切にしています。
遊び文とは、物語の進展に不要な文を指します。

もしかしたら正式名が別にあるかもしれないので、もしご存知でしたら教えていただけると幸いです。

遊び文の例文を見てみましょう。

私は味噌汁を作るため冷蔵庫から豆腐を取り出した

物語の進展をするのであれば、上記の文で足りてしまいます。
誰が何のために何処から何をどうしたのか充分に伝わりますね。
ここに遊び文を追加するとこのようになります。

私は味噌汁を作るためキッチンへ向かった。
キッチンに入り明かりのスイッチをつけると、テーブルの上にある蚊帳が目についた。
蚊帳の中にはほうれん草のお浸しと漬物の食べ残しがあった。

「これも悪くなる前に食べてしまわないと

テーブルをぐるりと回り、シンクを横目に冷蔵庫へ向かった。
その白い冷蔵庫には母が趣味で集めているマグネットが貼ってある。
郵便受けに毎月のように投函される水回りトラブルのマグネット広告だ。
この広告のバリエーションが豊富で、最初はウンザリしていた母が趣味で集めるようになり、今や冷蔵庫の戸がマグネットで覆いつくされようとしている。

「柄被りのマグネットは処分しちゃダメなのかしら……

そんな事を考えながら私は冷蔵庫の取っ手に優しく手を掛けた。
そっと開くと中からヒンヤリとした冷気が漏れ出した。
奥にある明るい電灯が3段に分かれた食品棚を照らし微かに野菜室を照らす。

「豆腐……豆腐……と。

上の段から順に眺めていく。
しかしパッと見て見つからない。

「こういう時は……っと

おそらく豆腐は奥の方に隠れている。

「ほうら、やっぱり

私は2段目の奥に豆腐を見つけ出し、他の食品をかき分けるように取り出した。

このようになります。

遊び文を書くコツは、
何がどのように置いてあるとか、
その温感はどうだとか、
どう感じたとか、
どんな表情だとか、
どんな音が聞こえるだとか、
その場の情景を細かく描写したり感情や表情、動作などを例えや擬音なども駆使して細かく文字に起こす事です。

遊び文は全体の8~9割くらいあると良いと思います。

参考になれば幸いです。

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