コミュ力を求めて今までやった事

コミュ力を求めて今までやった事

僕はコミュ力が課題

僕は幼い頃からコミュ力の低さに困っていた。
人の気持ちを理解する能力に乏しく嫌われやすく度々衝突していた。
自主的に考える能力があれば他人を配慮し衝突を割ける事ができたかもしれないが、どうも僕は他人を理解する能力が不足している。

それが何故なのか分からなかった。

それから何年も経過した最近になって原因が分かった気がした。
「ゴーレム効果」という心理効果に支配されていたのである。
この効果は親や上司など目上の立場にある人間が高い効果を発揮できる。

経緯はこうだ。
親は時間に追われやるべき事が多く時間も余裕も無かった。
故に思い通りにならないと分かっていても、最初の数回しか許容できず、大きい声を出すようになり、慢性的に怒るようになった。
そこに理性や法則が明確にあり説明が適切に行われれば対処も出来るかもしれないが、幼子の理解能力が及ぶはずがなく、子は怒られて嫌な思いをした事だけを学習してしまう。
故に自主的に行った行動が怒られる原因になるかもしれないと考え、子は怒られる要因を最低限にするため言われた事しかしなく成る。
そして真面目な性格になり、臨機応変に現場で判断ができなくなる。

今の僕は親の教育が原因でこうなってしまったのかもしれない。

コミュ力を磨きたい

コミュ力は公私共に重要である。
円滑な人間関係は豊かな人脈を招く。人脈は人生の質に影響する。
仕事なら案件理解や提案が有利になる。
つまりコミュ力が上がれば収入も上がる流れになる。

コミュ力は人に会わないと磨けない。
ダイアモンドがダイアモンドでしか磨けないように、人は人でしか磨けない。
しかし仕事だけではいつもの限られた人にしか会えない。
とにかく他の人と会う機会創出をしなければならない。

本音は行動である。
口先で痩せたいと唱えても、運動なり食事制限なり行動が伴わないと成果は出ない。
コミュ力をを磨きたいのが本音なら行動を起こすべきだ。
そこで思いつく限り行動を起こす事にした。

しかし手段も手順も分からなかった。
こういう時は情報収集が必要だ。
最も効率的なのは習得済みの先人に教わる手段だ。
経年しても変わらない常識風習であれば図書館や中古本でも良い。
流行を詳しく追うなら雑誌が良い。名目だけ知りたいならメルマガで良い。
最新技術なら安定版の新刊が良いし、プログラムのエラー対策ならweb検索が良い。

よって当時勤めていた会社の同期社員4人、友達1人に事情を説明した。
個人事業主のO、賢い社員Kと、モテモテの社員Hと、中小企業社長のU、笑顔の社員Yだ。
ありがたい事に5人とも話に応じてくれた。

行動開始

個人事業主のOは街コンへ一緒に行こうと誘ってくれた。
参加してみたところ、必ずといって良いほど営業タイプの人が同席してしまう。
営業タイプの人が有利すぎて叶わない。
いつも話題の中心となり、僕が話題を出しても元の話題に戻され、共感する事しかできない。話が落ち着いたタイミングで僕が話題を提供すると被せてきて営業マンの話題に利用されてしまう。
そして一期一会で終わり、特にアプローチできずに次の機会も作れず、社交辞令的に連絡先を交換するが勿論連絡が来ることはなかった。

賢い社員Kは合コンを企画してくれた。
元々話下手な僕は特に何もアプローチできず、連絡先交換にさえ進展せずに終わってしまった。
時間やお金を割いて集まってくれた皆に申し訳ない。

モテモテの社員Hは友達を呼んで練習をさせてくれた。
フリーランスのカメラマンで、主に食べ物を撮っている女性らしい。
僕もカメラを持って居るので、カメラについて色々話して終わった。
社員Hはその話の様子を見て助言をくれた。
「人に興味を持って居るような話題を出せ。カメラの話を掘り下げるな」
確かに僕はレンズや機材の話をしていた。人の生活や嗜好について問わなかったのだ。
友人の女性は練習の付き合いだと事前に知っていたので、そのつもりで話してくれていたが、また話したいという感じを持ってくれなかった。当然である。

中小企業社長のUはお茶会を紹介してくれた。
主に男性が集まり参加者は殆ど初参加。
初対面で無難な自己紹介を行い、たわいもない話から情報交換を行う場だった。
ここでも営業マンタイプの人が現れ、コミュ力スキルを磨く事は叶わなかった。
自分にあったレベルで磨いていきたいが、相手はそんな事を考える義理も無い。
そして社交辞令的に連絡先を交換するが殆ど連絡が来ることはなかった。
しかし1人の男性から連絡があった。それが資産運用家のTだった。
この資産運用家のTは後でまた話をする事になる。

笑顔の社員Yは出会い系アプリを進めてくれた。
とりあえず進められたらやってみると決めていたので進められたアプリを試してみた。
しかしどのアプリも共通して早々に好条件の人とマッチングして有料プランへ誘導された。
有料プランに切り替えると連絡がつかなくなり、他の人とは殆どマッチングしない。
最初の成功体験を期待して継続させる手口はソシャゲ初回のガチャでレアが出やすいのと同じである。
そもそもテキストトークは未知の相手に自らを訴求しなければならず、コミュ力の低い僕は会う事が難しかった。
稀に会う事は出来たが相手は会う目的が異なるため噛みわないというか、新しい課題に向き合う事になった。

ちなみにグループ会社が結婚相談所を営んでいたので、グループ社員割を使って利用してみた。
検索機能があり、無意識に検索条件に年収やキーワードを入力している自分を客観視して、人は選べる環境を得ると選ぶのだと実感した。
そして、裏を知ってしまった。
ここの利用者は自力で結婚できない人だったり、楽に好条件の人を選びたい人が登録している。
そこに毎月のように紹介がある。来月も紹介があるのは分かっているし、次回はもっと好条件の人が紹介されるかもしれない。
しかし商売である。成婚すると売上は落ちるので楽をしたい人には夢を見せ続けた方が利益が出るのである。
登録者の成婚率は高いが、ここで成婚したとは言っていない。

話を戻そう。

新しい課題抽出

人と話して課題となっていたのが、第一印象と、挨拶の次の話題だった。

僕は顔面偏差値は低い方である。
表情の変化が少ないポーカーフェイスで何を考えているか分からないと言われる。笑みも少ない。
笑顔の社員Yに笑みのコツを聴いたらフェイスビルディングを教えて貰った。
口角を上げたり、顔がしわくちゃになるまでぎゅーっとした表情を鏡の前で毎日5分やるそうだ。
半年続けたが効果はなかった。

故に顔以外の第一印象を磨く必要がある。
でも具体的に第一印象って何だか分からない。
そこで色々調べて出した第一印象の審査基準の仮説が下記である。

清潔感:シワが無い、古すぎない服を選んでいる。
眉:瞼の上に毛が無い。形が整っている。
体型:運動習慣があり標準体型である。
服装:2色~3色程度の配色に留めている。自信があれば4色も可。
髪型:美容室で整えて貰っている。
体臭:入浴習慣があり、煙や酒の臭いを纏っていない。
肌:洗顔習慣があり、赤みがある場合はコンシーラ等でケアしている。

これらは瞬時に解決できる事ではない。
継続しながら徐々に磨いていくものなので、進捗を平行して挨拶の次の話題を解決する事にした。

普通なら自己紹介でもすれば何かしら話題のフックが見つかるかもしれない。
だが僕の場合は不思議と共通点があっても広げられなかった。
話題の連想ゲームができず、結論を急いでしまい、静かな時間が流れてしまう。
なぜ話を膨らませたり掘り下げる事ができないのか。
考えた結果、会いに行った環境が適切ではないという仮説を立てた。

今まで出会った人達は共通点が少なかったというか、防御を優先して開示しないように感じた。
家でゆっくりしてる。友達と喫茶へ行く。山へ行く。旅行に行く。ジムへ行く。
そんな回答が多かった。それでは僕の場合は広げられない。
そこで「絵を描きます」「創作してます」「ゲーム作ってます」とか言っても期待外れにさせてしまうだけなのだ。
相手が普段見聞きしているメディアは商業品質でハイクオリティな物である。
それを無意識に求めてくるので個人レベルでは期待に応える事が困難だし、仮に期待に応えても好みに合致しなければお世辞を貰って終わるのだ。

評価されない市場であれば、評価される市場を選ぶべきである。
画展へ小説を展示しても小説は評価されない。
文は文を理解する気がある人へ評価を求めた方が良いように、僕が適した環境はある筈なのだ。

そこで、過去の友人はどうやって出来たか、実績を基に分析を試みた。
考えてみると、学校や仕事の関係から発展していた事が分かった。恐らく多くの人もそうだろう。
同じ環境へ通う義務があり、その共通点を理由に何度も顔を合わせる必然があり、半強制的に互いを徐々に理解できる環境で、やがて「この人はこういう人なんだ」と理解され進展していたのだ。
話せないなら、話せないなりに工夫すれば良いのかもしれない。

新しい課題を克服するために

そこで何度も顔を合わせる環境を探すことにした。
オンラインゲームはどうか考えた。
子供も混ざっているし、いつまでも初心者でいる訳にはいかない。
過去にトリックスターというゲームを遊んだが、ザコ1匹に掛ける時間が半端なかった。
効率が悪い事はすぐに予想できた。

会うだけでは無く、会話が出来た方が理想的である。課題は会話なのだから。
そこでサークルを探す事にした。
多くが飲み会だった。考える事は同じか。
美術館巡りや読書会やテニス会もあったが、確かに飲み会は楽そうだ。
しかし飲み会では合コンと変わらない気がした。

写真の趣味があるのでカメラサークルに参加してみる事にした。
元々腕を磨くわけではなく、思い出を共有するツールとして写真を選んでいただけだが、機会創出になるならやってみようと思った。

参加してみた所、機材自慢の男性や、カメラを買うだけで簡単に趣味にできるという理由で始めた男性や、なんか流行っているから始めた女性などが居た。
会が始まると、指示された訳でもなく男性陣と女性陣で分かれて行動し、なんとなく連絡先交換をして終わった。もちろん進展など無い。

しかし回数を重ねたら、気さくそうで明るい板前Kが寄ってきた。
えっ、こんな僕に興味を持ってくれるのかと感動した。
頑張っている僕を評価してくれているらしい。嬉しい。
板前Kから1~2週に1度会おうとしてくれたので好感を持てた。
その頃は板前Kに会うのが楽しみだった。
1~2ヶ月継続し他のサークルに招かれた。
誘われたら行くと決めていたので行った。
すると、集まっている人達は皆妙に明るくハキハキしていた。
そして、やけに個性的なニックネームで呼び合っていた。女性なのにゴリラちゃん。普通の日本人男性なのにマイケルだとか、ペガサスだとか。
変な違和感を感じ始めた。

しかし当時ランニング習慣を付けていた僕が脚を痛めていることと、スニーカーを履いて走っている事をマイケルに話したら、靴が原因だからランニングシューズを買うべきで、アシックスかミズノが良いと進めてくれた。
ナイキやアディダスとかは白人や黒人の足の形に合わせて作られたから、日本人の足に合っているメーカーが良いそうだ。
なんだマイケルも変わった名前だけど良い人じゃないかと思った。

しかし板前Kは3~5回会った頃合いで、喫茶店へ呼び出してきた。
その日は急いでいたが、何とか時間を割いて話を聞いてみたらネットワークビジネスへの勧誘だった。
新規会員を勧誘するとボーナスが貰えるそうだ。
僕が会員になると板前Kにボーナスが入り、更に僕は年会費を払い続ける事になり、僕は他の新規会員を勧誘する事を推奨されるらしい。
板前Kは5年継続して3人勧誘に成功したという。いずれカフェを自営業にしたいそうだ。
僕は確かにコミュ力を磨きたいと思っていたが、勧誘したいのではない。
勧誘人数に応じてボーナスが得られるらしいが、5年で3人の実績では板前Kの夢が叶わないように見えた。
勧誘を断って以来、板前Kとの連絡は途絶えた。
僕は友達でも何でもなく、最初から見込み客として見られていたようだ。
裏切られたような気分でがっかりした。

結果としては僕のコミュ力が磨かれた訳ではなく、板前Kから寄って来たのであるから、コミュ力はまだ伸びたとは言えない。
次のコミュニティを探すことにした。

そして出身地お茶会というのを見つけた。
出身地の話題で繋がりを作ろうという物だった。
そこで営業マンTと知り合った。
この営業マンTも板前Kと同じような行動パターンだった。
そして3~5回会った頃合いで友達や師匠を紹介したがった。
何か違和感を感じた。やはりそうかとも思った。
断る理由が無かったので会ってみると営業マンTの師匠から本を進められた。
「金持ち父さん貧乏父さん」という本だ。
進められたらすると決めていたし、ちょうど読書習慣があったので読んでみた。
物語調で書かれていて、僕には分かりにくい本だった。

次に営業マンTの師匠と会った時に新しい本を進められた。
「金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント」という本だった。
新しい刺激になるかと思い、その本も読んでみた。
これも物語調で書かれていて、僕には分かりにくい本だった。
後から知った事だが、この本はこの界隈では有名な本で、勧誘に使われる本らしい。
宗教本みたいな位置付けなのでよく売れている。

次に営業マンTの師匠と会った時はボードゲームを誘われた。
キャッシュフローゲームという、この界隈では有名なゲームらしい。
これも後から知った事だが勧誘に使われるゲームらしい。
これ以降、このタイプの人から誘われるボードゲームを事前調査するようになった。

その後、思ったとおりネットワークビジネスの勧誘に会った。
実は初めから勧誘目的だったらしい。

何か夢があって、独り暮らしで、公務員以外は勧誘対象になるらしい。(公務員は副業禁止なため)
特に真面目な人は勧誘しやすい。
僕は獲物に向いているのだ。

省略しているが、ネットワークビジネスの勧誘に会ったのは通算で何度目になるかわからない。
何度も信じては裏切られた。
知り合ってはこんな目に合うまで1回あたり1~2か月。10回でも1年は掛かる計算になる。
30回でも3年は掛かる見込みになる。
僕の時間は帰って来ない。次の判断をしなければ。

話を戻すが、お茶会で知り合った資産運用家のTも実はネットワークビジネスをしていた。
僕は察知できるようになっていたので、予め興味ない事を告げたら理解してくれた。
資産運用家のTと何回か食事して、勧誘をしない姿勢を見ると、信用してもいいのかと思い始めた。
自宅のBBQに招かれ友好関係が深まり、新たな友人として証券マンMと知り合った。
この後、資産運用家のMからは投資セミナーへの勧誘および投資のお誘いが来るようになり、今は興味ないと告げたら関係は消滅した。
信用し始めてこれである。
裏切られたような気分だった。

証券マンMはボードゲーム会や謎の展示会へ誘ってくれた。
誘われたら行くと決めているので行ったら、どちらもネットワークビジネスの集まりだった。
証券マンMに紹介して貰った友人も、僕を勧誘する為の誘惑だった。
やんわりと断り続けていたら、
「ボードゲーム好きでしょ? 7つの習慣というボードゲームを今度やるよ」と連絡あった。
何かを察したので調べてみたら、やはり勧誘の商品として有名だった。
良い人だと思っていたのに、裏切られたような気分だった。
どんどん人を信用できなくなっていく。

勧誘の居ない環境を求めて

他のサークルを求めると僕の場合は勧誘に会うらしい。
人と仲良くなるコミュ力を磨きたいのに人間不信になってしまうのは問題である。

そこで勧誘が少ない環境を探した。
勧誘が目的の人は短時間で終わり、会費が安くて、大勢集まり、連絡先交換をしやすい空気を作れる場所を求める。
連絡先を得る最適化サイクルで営業する。
逆の環境を求めれば勧誘は少ないはずだ。

そこでボードゲームへ興味をもった。
ゲームをする目標を参加者と共有し、ルールの理解やゲームの進行で必然と会話が発生する。
そこでボードゲームができる環境を求め、詳しい知人に川崎のボードゲームコミュニティを紹介して貰い、足を運んだ。
しかし、参加者は繋がりを求めておらず、遊ぶ事が目的だった。
他のコミュニティへも参加したが、一期一会で終わり、連絡先交換をする空気すら無かった。

次にTRPGへ興味を持った。
コミュ力を磨く為、会話が多いTRPGは向いているかもしれない。
そして共通認識が大きいであろうクトゥルフ神話を最初に選んだ。
認知が大きければ文献も相談相手もメディアも多いはずだ。
動画を見て事前に知ったつもりではあるが過去に全く挑戦した事がないので初参加を許される環境を探した。
丁寧に指導を受けたいので有料の場所を探し、横浜のボードゲームカフェでクトゥルフTRPG初参加OKの会をやっている所を見つけて申し込んだ。
やってみたところ、確かに勧誘らしい人は居なかったし、営業タイプの人も居なかったが、コミュ力が高い人が多く話していて、僕のコミュ力は磨けなかった。
このコミュ力が高い人は、良い人だった。
僕が初心者故に色々サポートしてくれて、僕が話す場では話す時間をしっかり与えてくれた。
だが僕が自ら考えて話す事ができなかったのだ。
初参加で知らない事が多いからプレイヤーを演じにくいのも必然だと皆はフォローしてくれた。
だから回数を重ねて普通に話せるようになりたかった。

しかし横浜は遠く、交通費も時間も掛かってしまう。
なので4駅離れた近所でサークルを探した。このサークルは男女比9:1くらいの環境でなぜか女性陣は男性を査定するような見方をしていた。
そして僕はコミュ力を磨き、会話を重ねて互いを理解する為、口下手ながらも皆に話しかけに行き、そしてプレイ時に皆の足を引っ張ってしまった。
なぜ上手くプレイできないのだろうと悩み、考えたらルールが難しくて覚えにくい事が一番の理由だと気づけた。
そして足を引っ張り続けた僕はサークル長から遠回しに他へ行けと誘導される事になった。
ウタカゼの紹介を受けると共に。

ウタカゼのシステムならルールは覚えやすいし、世界観も僕に合っているそうだ。
そして、偶然にもイラストレーターさんが僕の描く世界観に大きな影響を与えた人であった。
こんな所でご縁があるとは。

そしてウタカゼのシステムを遊べる場所を求めて厚木へ向かい、GMのKさんと繋がった。
このGMさんの繋がりで、GMのHさんやSさんやプレイヤーのOさんと知り合う事になった。

課題は解決していない

繋がったのは良い事だが、何度も顔を合わせて互いを理解し、話せる関係を作り、コミュ力を磨く課題は解決していない。

未だに話題は拾う事も、広げる事もできない。
TRPGもプレイ中に足手まといになってしまう。
このままではいけない。

ならば先人の知恵を借りようと思った。
そこで当時勤めていた会社の営業部長に尋ねた。
突然の質問にも関わらず部長は「相手を好きになれ、共通点を見つけろ」と答えてくれた。

ようやく「どこ済み?」「どこ出身?」みたいな質問は共通点を見つける意図があったと気づいた。
人は共通点が多いと好意を持つらしい。

機会があって他の社員にも訊いたときは「役者を演じるように、相手になりきれ」と回答があった。
なりきるには相手を知る必要がある。

なんとなく自分にたりない物が分かった気がした。
相手への興味である。
相手を理解できない知れないのは、そもそも興味が無かったからだ。
ならば、どう興味を持てば良いか?

今までの経験則ではアイスブレイクの雑談もできず、話を広げるボキャブラリーが少ない故に受け身だった。
そこで部長の話と繋がった。共通点を作れば良いではないか。
共通点が多ければ興味は必然と持てる。ならば話は展開できると見込んだ。

ならどこへ行けば良いか?
打てる手は打ったつもりだった。
しかし何度も顔を合わせて互いを理解できる環境に属せていない。

解決できる環境を創る

ならば前提として共通点があるコミュニティを自ら創ってしまえば良いと閃いた。
業務で得たエンジニアスキル、デザインスキルは持って居るので構築できる。
SEO施策も知っている。
向こうから会いに来る仕組みが出来た。その人が勧誘でも見抜ける。
主催の立場なら営業すら味方にできる。
コミュ力は磨けるし、仲間も増やせる。
事実として人を集める事に成功した。

人と円滑な関係を創るのは一度あたりの時間ではなく、回数である。
継続すれば回数を重ね続ければ時間が解決してくれる。
そう思った。

現実は残酷

数年継続して実感が強まった。

僕へ向けられる視線は運営だった。
創られたのは参加者と運営、会社なら上司と部下のような関係だった。

参加者はサーバーやドメイン費など可視化できない物の運営費は納得してくれなかった。
現に無料サークルもあり、限りなく無料を求められ「無料でしょ」という空気さえ感じさせる人が居る。

無料サークルは無料故に「無料だから集まる」という価値観の人が集まる。
僕が提供する環境とは内容が違うのだが、物として見えないので認識されにくい。

故に限りなく安価を提示しなければ集まらず、薄利にならざるを得ない。
そして毎回のようにドタキャンが発生し費用が回収できない。

そして初回参加者は、偶然その場にいた参加者の相性を見て、この環境が合うか合わないかを判断する。
毎回集まるメンバーは異なるのにである。

中止になる場合でも参加者は「中止?あっそう。じゃあ会費も払わなくていいね」という常識を持っており、僕が会場費を全額自己負担しなければならない。

去年のクリスマスパーティでは、それを証明するかのような出来事があった。
正直に会場費やケーキ代等の経費を提示し、下三桁を合わせる為に切り上げた。
その額は400円である。

それに対して参加者Tさんは「差額400円を返金して欲しい」と要求したのだ。
会場にもケーキにも価値を認める。
しかし、僕が皆を集めて都合を調整し、場所も手配し、ケーキを手配し、慎重に運び、BGMも選曲し演出まで行ったのに、時間にも労働にも価値が無いという態度なのだ。

それ以降、参加者Tさんは他の参加者へ声を掛け始めた。僕を省いて。
そして参加者Tさんを中心に集まったりしているらしい。
参加者同士で楽しみたいのは理解できる。運営が居たらサークルになるから。会社に例えるなら部下同士の輪に上司をわざわざ招かないのは当然である。
しかし、参加者Tさんが次にとった行動は僕を用済みかのようにブロックして連絡をシャットアウトする事だった。

繋がりを求めて創り出したコミュニティに
繋がりを求めて訪れた参加者が
成果として繋がりを得て
その繋がりを利用して
僕を省いて独自にコミュニティを作ったという訳である。

これが自ら新規に人を募めたならともかく
うちのコミュニティの成果を横取りしている。
まるで成果を泥棒されたような気分である。
図解にすれば分かりやすい。

コミュニティを営み続けて楽しめなくなってきてしまった。
これなら課題を解決できると見込んで創り出して集まった仲間にこんな事をされるのだ。
ますます人間不信になりそうである。

友人に相談したら、参加者同士結束するのは当然の流れだと聴いた。
そりゃそうかもしれない。

しかし参加者が消費者のように集まり、繋がりを得て、自分は得られないのであればコミュニティではなく、サービス業ではないだろうか。
商売だと割り切ってしまえば気が楽になるのかとも悩んだ。

それで自分の課題が解決できるのかというと、わからない。
何度も顔を合わせて理解しあえる環境を創って向けられる視線は運営。
なら参加者として他のサークルに行くと勧誘に会う。
商売にするとおそらく求めるコミュ力は磨けない。

乗り越えた先には

苦手を得意とするのは非効率的だとも訊く。
しかしコミュ力は普通にも至っていないと自覚しており、磨く必要性を感じている。

結局、今のままで居ても自力で解決策を見出せないのだから
本なり人なりセミナーなり何なりへ足を運んでヒントを見つけなければならない。
再びお茶会へ参加したら、今度はコンサルWと知り合った。
この人はネットワークビジネスをしていなかったが自分の有料コミュニティを持って居た。
弟子のOLが起業に成功し年収3千万した実績があると唱えていた。
こういう臭いを疑う癖がついてしまっていた。

だがコンサルWからは未知の学びを得たのだった。それが交流分析である。
どんな言葉にどんな言葉を返すと、話が継続しやすく中断しやすいか、その法則が纏まっている。
このクソ真面目な性格がこんな所で発揮するとは。

本は小難しいが自分なりに図解を書き起こすとなるほど理解できる。
覚えたてで会話実践時の速さには慣れないが場数で解決できそう。
バカになれず理屈っぽい自分を改善するヒントは理屈にあったようだ。

せっかく図解にしたのだし、自分と同じように悩む人の助けになれたらいいと思い。
それをサイトに載せて発信していたらフォロワーの態度が二極化し始めた。

なんだコイツ難しい事を並べてよく分からなんペラペラの内容を書き始めてツマランと嫌う人。
そうだったのか、これで自分も生きやすくなって気が楽になったと応援してくれる人。

後者に混じっていたのが、今大切にしている仲間達なのでした。

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